印旛沼のサンカノゴイについて 2007年〜2011年           記 2011年6月17日  長沼 和夫

千葉県印西市(旧本埜村現印西市)の北印旛沼(印旛沼北部調整池)土手には、6月になると
関東の近県からサンカノゴイに会いに、たくさんの鳥好きの人たちがやって来ます。
北印旛沼は普段なかなか見られない、サンカノゴイが見られる、日本全国でも限られた、貴重な観察場所です。
サンカノゴイは普段、葦原の奥にいて、あまり姿を見せません。
ゴールデンウィーク前後に、北印旛沼周辺の田んぼに水が入れられ、田植えがされると、田んぼにカエルその他の生き物が大発生します。
サンカノゴイはその生き物の大発生に合わせて、毎年5月から8月にかけて繁殖、子育てをします。
サンカノゴイの1〜2羽は毎年2月ごろ見かけることがありますので、越冬している個体もあると思います。その他は、南から渡ってきて、北印旛沼で合流し、繁殖子育てし、秋には南へ渡っていくと思われます。
南からやってくる渡りのサンカノゴイが北印旛沼に来るのはいつか不明です。
4月下旬にオオヨシキリの大群がやってきて、ヨシゴイが5月上中旬ごろやってきます。
龍ヶ崎市でも、2009年4月中旬牛久沼で渡りの途中と思われるサンカノゴイが見られています。
 
北印旛沼の土手からサンカノゴイがよく観察できるのは、その年によって変わりますが、6月に入ってからがいいようです。
4月5月は葦原の中から、超低音のボウー、ボウーという鳴き声を聞くことが出来ます。
6月に入ると葦原の葦につかまって顔をだしたり、周辺の田んぼで見られたり、沼の葦原と田んぼを行き来する飛ぶ姿が見られるようになります。その日によって、現れる頻度は異なります。
土手に到着してすぐに会える人と、数時間待っても会えない人もいます。
子育てが次々と、順調なら7月にもよく観察することが出来ます。
 
2007年から2011年まで観察していますが、最近は出現の回数が減っていると思われます。
繁殖子育てが上手くいけば、当然ヒナにたくさんの餌を与えるため、親鳥は頻繁に巣のある葦原から、餌場の田んぼへ往復します。食欲旺盛なヒナのために親鳥は何度も土手を飛び越えて田んぼに行き来します。
今年は東日本大震災で北印旛沼の土手の一部が壊れ、サンカノゴイの葦原付近の土手も、5月末まで復旧工事のため重機が入って補修工事をしていました。
上手く他の地区に移動してくれている事を願っています。
今年(2011年)は例年より遅れて、6月中旬になり、ようやく田んぼに出ているサンカノゴイがたびたび見られ、その個体が葦原に戻ってくるのを見られるようになりました。総数は不明ですが、明らかに昨年より少なく、昨年は一昨年より少なくなっていると思われます。少ない羽数でも無事ヒナが育ってくれることを願っています。
また、毎年6月ごろになると北印旛沼のサンカノゴイの土手で、鳥好きの友人と再会することが出来ます。
環境省によるEN絶滅危惧種IB類(近い将来絶滅の危険が高い種)に指定されているサンカノゴイが、北印旛沼で絶滅しないように願っています。