牛久沼     オオヨシキリ

牛久沼は面積約6.5ha・周囲25kmの大きな沼で、周囲にはヨシやマコモが茂り、沼や野鳥を守っています。最近はバス釣り・ウインドサーフィンのメッカになりつつあり、高速で走るボートやジェットスキーも見掛けることもあり、野鳥に対する影響が心配されています

1. 観察できる野鳥

(1) 年間を通してよく見られる鳥
  コブハクチョウ、カイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、トビ、チュウヒ、キジバト、カワセミ、ヒバリ、ハクセキレイ、モズ、セッカ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、シジュウカラ、ホオジロ

(2) 春から夏にかけてよく見られる鳥
  ヨシゴイ、ゴイサギ、アマサギ、チュウサギ、クイナ、バン、コチドリ、イソシギ、コアジサシ、カッコウ、ツバメ、ウグイス、コヨシキリ、オオヨシキリ、オナガ

(3) 秋から冬にかけてよく見られる鳥
  ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、マガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、ユリカモメ、ノスリ、タヒバリ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、メジロ、アオジ、ベニマシコ、カケス

その他まれに(オオハクチョウ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ホオジロガモ等が出ることが有ります。)

ユリカモメ

コヨシキリ
 
      ホオアカ&ホオジロ

2. 観察のポイント

牛久沼は大きな沼のため、ヨシ原にいる鳥はともかく、水面にいる水鳥はかなり遠くにいるので出来るなら、双眼鏡のほかにフィールド・スコープを準備したい。また、冬場は逆光になると水面がまぶしく、鳥のシルエットしか見えず、美しい羽の色や表情が判りにくいので、太陽を背にして観察したい。 牛久沼の周囲は、木陰も風除けになる所もないので、夏は暑さ対策を、冬は防寒対策を十分にしてお出かけください。

3. 観察場所推薦
(地図参照)
A地点(沼東側)
  比較的広い範囲が見渡せ、カワセミにもよく出会えますが、カモ類は遠くになる。この地点は最近カメラマンが黒富士を狙うポイントになってきました。
B地点(沼東側)
  足場も良く、一番たくさんの種類が観察できます。
C地点(沼南東角)
  コブハクチョウの給餌台があるところで、それを目当てにカモ類も集まり、間近 で観察できます。ただ、カルガモ、マガモ、コガモ程度で、種類は期待できません。
D地点(沼南側)
  A地点ほどではないが、比較的広い範囲が見渡せます。沼の側にも田圃も広がり、
 (沼の外側の田圃脇の葦にとまって擬態をしているヨシゴイを見つけてください)
 この周囲は一年を通じて楽しめます。

4. 行き方

電車利用はJR佐貫駅から、それほど負担にならない距離なので、ハイキングがてら、何地点かのハシゴをお勧めしたい。
 A 地点・・・徒歩:佐貫駅より約35分

  駅西口前の通りを、駅を背に西に向かうと、スーパーヤオコーの所で国道6号に出ます。これを渡って右折(国道左側の歩道を、北に)国道と八間堀のあいだを国道に沿って、水門、水神屋さん、牛久亭さん、鶴舞屋さんを左手に見ながらなお進むと、国道と八代庄兵衛新田線のジャンクションの側に出ます。その先の沼のほとりが目的地点です。 (トイレ なし)
・・・自動車:沼のふちの料亭「山水閣」さん前から国道に沿って沼側に側道があるので、これを入る。ジャンクションの下に駐車場(5台)が有ります。
 B 地点・・・徒歩:駅から30分

A地点の手前。鰻屋「鶴舞屋」さんを過ぎると左手に沼が見え、広場があります。ここが目的地です。
・・・自動車:A地点と同じか、その側道を先に進み突き当たりが少し広くなっているので4〜5台の駐車が可能です。
 C 地点・・・徒歩:駅から20分
 B地点の手前。最初の水門の所の橋(八間掘橋)を渡って、右手の土手沿いに沼に沿って行くとすぐに給餌台がみ    えます。そこが目的地です。

・ ・・自動車:水門の所の八間堀橋を渡り右手に伊勢屋さんを見ながら真っ直ぐ進むと家並みが切れた右側に駐車場があります。(簡易トイレあり)
 D 地点・・・徒歩:駅から30分

 C地点からさらに先へ進むと簡易トイレがある駐車場に出てさらに土手沿いを進みます。右手に公園造成地を見てその先にある田圃の先の沼のほとりに揚水小屋らしき建物があります。その付近が目的地です。行く時は土手の上を帰りは沼のふちの畦道を(その逆でも)歩かれるとより多くの鳥たちに出会えると思います。
・ ・・自動車:駐車場が有りませんので、C地点の駐車場を利用して歩いてください。

5. アフターバードウォッチング

 鰻丼は、 「牛久沼が発祥の地」 と言われています。今でも国道沿いを中心に落ち着いた雰囲気の鰻屋さんが、八軒営業しています。一度立ち寄って歴史の味を賞味してはいかがでしょうか。

6. 牛久沼にまつわる話

(1) コブハウチョウの由来
  1963年、皇居の御堀から譲り受けたものが徐々に数を増やしたもので、最初は風切り羽根を切って飛べなくしていたが、現在は羽根を切るのをやめているので、大空を自由に飛びまわっており、牛久沼の白鳥として無くてはならないものになっています。その数約70羽をかぞえます。
(2) 牛久沼伝説
 昔々、若柴にある金龍寺に知雲という小僧がいました。小僧は怠け者で大飯くらい、和尚のいましめにも耳を貸さず、修行もせずに食べては寝るの繰り返し、しまいにとうとう牛になってしまいました。
 小僧はわが姿をなげき、沼に入水しようとしました。和尚は驚いて尻尾を引っ張って、助けようとしましたが、尻尾が抜けて小僧の牛は沼に沈んでしまいました。
 それ以降、村人たちはこの沼を「牛食う沼」と呼び、転じて「牛久沼」となったと伝えられています。
 金龍寺には、その尻尾が今でも残っており、昔、小学校のころに遠足で見に行きました。(見せてもらえるかも?)